タクシードライバーになるのは不安?

木曜日

仕事

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タクシードライバーを始めて、なんだかんだで1年以上です。

始めた理由はすごく適当なのですが、住んでる場所の近くに営業所があったからです。
東京のタクシー会社は郊外や下町に営業所を持っている事が多く、職場の近くに住んだとしても、かなり家賃を抑えることができます。
朝の通勤電車だけは絶対乗りたくないのですが、やっぱり通勤徒歩圏内だと超絶楽です。

そんな適当な理由で始めたタクドラですが、仕事としては割と面白いです。
やっぱり車から見る東京の景色は、今まで知っていた東京とは違い、タクシーをやっていないと見えない事が沢山あります。

しかし、始める前はやはり不安がありました。

  • なにせ、タクドラという仕事は極めて特殊な商売です。他の業態とは似ても似つかない所が沢山ありますので、実際にやり始めないとわからない所が多いでしょう。

始める前に感じていた不安点と、現状はこんな感じです。



道は覚えられるのか

まず前提として、これは東京のタクシーの話になります。

東京の道は一見複雑に見えますが・・・本当に複雑です。
メインの大通りの数はもちろんですが、細かい路地も山程あります。そして何より厄介なのが車線の数と、膨大な数の右折禁止や一方通行です。
全て覚えるには嫌とういうほど時間がかかるでしょう。

しかし、東京のタクシー利用客の大半は常連さんです。
道に関しては、お客さんのほうが運転手より詳しいのです。始めたばかりの頃は聞きまくりましょう。

  • 喜んで教えてくれるか・・・
  • 渋々教えてくれるか・・・

はともかく、大概は教えてくれます。

そして、お客さんの行く場所は同じようなところが多いです。
目的地だけでなく、経由地の目印なんかも大概同じ場所です。何回も繰り返していれば自然に覚えるでしょう。
そうやって恐れずに色々なところを走り回っていれば勝手にその地域の道は覚えてきます。一箇所ベースとなる地域が出来上がったら、後はそこから拡大して行けば良いのです。

そして今は文明の利器、Googleマップがあります。
もし、お客さんもわからなくて自分もわからなくてもスマホがあれば一瞬で場所は判明しますね。
今は自分専用のスマホホルダーを車内に取り付けています。「え?プロドライバーがスマホで道調べて心配されないの?」と思われるかもしれませんが、今度タクシーを見かけた時によく見てみてください。大概の車にスマホナビが付いているはずです。

中には複雑な道で結局わからずじまいな事もあるのですが、道に関して困ったことがあれば、その場所を覚えておいて帰庫してから営業所で聞けば問題ありません。

稼げるのか

タクシーは稼げない。タクシーは稼げる。
Google検索でどちらのワードでも色々出てきますね。

しかし、どれだけ稼げれば稼げたことになるのかは人によって違います。
月給50万円は色々努力しないと難しいでしょう。体力的にもキツイはずです。

まあまあで良いなら、そんなに難しくはないです。
東京のタクシーなら、サボらずにやってれば普通に生活+貯金くらいは充分出来ると思います。
お客さんにたまに給料を聞かれる事はありますが、他の業種と比べると割と高い水準ではあると感じます。

タクシーの場合、仕事をやらなくても怒る上司はいませんが、代わりにダイレクトに給料に反映されてしまいます。気楽だからと自分をコントロールできず、昼寝ばかりしている人は生活に困るでしょう。

給料面では真面目にやれれば、決してブラックな方ではありません。

お休みを増やすことも可能

  • 他にやることがない人
  • タクシードライバー自体が趣味な人
  • 育ち盛りの子供がたくさんいる人
  • 他に事業を持ち片手間でやってる人
  • 趣味に沢山時間を使いたい人
働いている人は色々な人がいますが、目的はそれぞれ違います。時間が欲しいのか、給料が欲しいのかで、働き方は変わってきます。

現在の出勤日数は月に12回ですが、8時間労働ではありません。昼勤〜夜勤を通してやる隔日勤務という扱いで、拘束時間は最低13時間です。
これだけ聞くと、ものすごく過酷な労働時間に見えますが、タクシーは必ず明け休みがあります。13時間以上働けば、翌日は絶対休みになるのです。
ただし、稼ぎたい人は最低時間では収入は伸びないので、もっと長い時間、走り回る必要があります。

タクシーという仕事柄、残業で終電を逃したお客さんを乗せることは多いです。
「毎日、残業で12時間拘束は当たり前」という愚痴を聞いたりしていると、労働時間に関してタクシーは天国だなとも思います。

もちろんタクシーは深夜を通してやる仕事でもあります。
生活のバランスは崩れやすく、身体を壊している先輩が多いという実状もあります。
体力的な事も含め、時間と給料を天秤にかけてバランスを取ることが必要です。

取締違反が怖い

タクシーの走行距離は多い上、取締の多い都心を走ると交通違反のリスクは高まると思います。交通違反の先には事故のリスクもありますね。
しかし実際は、違反ばかりする運転手もいれば、無事故無違反を続けている運転手もいます。

本来大前提として安全が最優先なわけですので、無事故無違反をやり通すのは別に難しくないはずです。おかげさまで無事故無違反で過ごしています。

取締を受けると、反則金という余分な出費の上に免許点数が引かれ仕事にも影響が出てしまいます。特に免許を大事にしている人は、なんとしても交通取締りは避けておきたいとこです。

実際、都心での交通違反取り締まりは簡単な注意で回避できます。
  1. 一時停止をどんなところでも守る事
  2. 間違えて違う車線に入った場合はお客さんに謝ってでも曲がるのは諦める
  3. 流れやすい道でも、その道で一番速い車にならない
  4. 矢印信号は見落としやすいということを理解しておく
  5. 時間帯の右折転回禁止は8-20時が多いので、切り替わる時間帯に注意

そして、東京の交通警察は親切です。
地方の取締では、警察官は隠れていて違反者を狙い撃ちしますので、あまり良いイメージはありません。

  • 警視庁の取締は必ず解るところにお巡りさんが立っています。

注意力散漫で警察官が見えていないから捕まるのです。

よく見てると5m先に警察官が立っているのに一時停止を無視する車もいます。それが警察官ではなく飛び出してきそうな子供だったらどうするのでしょうか?
そういった意味で、都心の取締は事故防止に一役買っていると思います。

最後に、事故や違反を防ぐために大切なのは休憩です。
どんな時に事故が起きるのかといえば、疲れているときです。集中力が切れているのです。
他の業種と違って、疲れたらいくらでも休憩が許される仕事です。迷わず休憩しましょう。
途中で体調が悪くなり、仕事中に半日寝ていた事もあります。もちろん、その日の収入は少なくなりますが、違反や事故を起こすと、せっかく稼いだ収益は全てパーです。

変なお客さんは乗らないのか

これは一番気になる事でしょうか。

残念ながらタクシーというのは世間一般には社会ステータスが低い仕事で、運転手に対して横暴な態度に出る人もいます。
タクシーに乗ると人間の本性が出やすいという話もあります。結婚を決める前、判断材料として相手とタクシーに乗ってみる事を勧める人もいるほどです。
そしてタクシーというのは深夜の時間帯に走る事もあるので、泥酔客が多いという問題もあります。

しかし、東京のタクシーに置いては、そんなに心配することはありません。
自家用車を持たない人が多い東京都心では、タクシーに乗り慣れている人が殆どです。当然ながら新人ドライバーに当たるのにも慣れています。
1年以上たった今でも、たまに知らない道があったりしますが、9割以上のお客さんは大抵良い人です。世の中そんなに悪くない事に感謝ですね。


  • 今はどの車両にも防犯用のドライブレコーダーが標準装備です。
これは実際に何かあった時に証拠になるだけではなく、抑止力にもなっています。
中には声を荒げるお客さんもいますが、暴力沙汰になったことは一度もありませんし、運賃を払わないで乗り逃げした人も見たことがありません。


  • そして、危ないところに行かないというのも重要です。

東京都心にも、比較的治安の良い場所と悪い場所があります。よく知っているエリアなら問題なくても、知らないエリアに行くと道がわからなくトラブルになりやすいという問題もあります。
地域は自分の性格との相性もあると思いますので、嫌だなと思う場所にはあまり行かないようにすることでトラブルは防止出来ると思います。

カメラが趣味だと捗る

仕事中は自由だというのはタクシーの最もおいしいところです。
売上を確保出来たら、後は何をしても良いのです。
もっと売上を作るのも良いし、ラーメンを食べに行く人もいます。

そして、タクシーは車を使った仕事ですが、これまた自由です。
営業エリアの範囲なら、どこでも好きに行く事が出来ます。
トラックの仕事だと、行きたいところに勝手に行ったりはできませんね。

そこで、たまに乗務中にカメラを持っていくことがあります。もちろん、稼ぎ時の時間はしっかりお客さんを乗せますが。
そして、たまに今日は写真を撮ると決めて、自分の行きたいところに車を走らせます。公共交通機関のなくなる深夜に都心を自在に移動できるというメリットを活かして、夜景を撮ったりできるのも、この仕事の面白いところです。

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