GRの単焦点28mmはiPhoneと同じ画角
GRはRICOHが出しているAPS-Cセンサーのコンデジです。
中々マニアックなデジカメであることから手に入れるかどうか迷う人が多いようです。
GRで一番悩むのは28mmの単焦点は果たして使い物になるのだろうか?という事だと思います。
ズームの出来ないコンデジなんて使い勝手が悪そうだと感じてしまうのは仕方ありません。
さて皆さんはiPhoneで普通に写真をパシャパシャ撮る方でしょうか?
iPhoneで写真を撮り慣れていれば、GRの単焦点28mmは普通に使える画角です。
というのも、iPhoneのメインカメラは大体28mmくらいなのです。
iPhoneで撮影する時にズームが出来なくて困った・・・ということはあまりないはずです。
(人によってはあるのかもしれませんが・・・・)
スマホのカメラを日常的に使っている人は、実はそもそも単焦点に慣れているわけです。
見方によってはGRではiPhoneと全く一緒の画角ですので、画角の違いに寄る感動を味わったりすることは出来ません。
望遠による圧縮効果、超広角でのパースを楽しみたいのなら他のカメラが良いでしょう。
画角こそiPhoneと同じですが、当然ですがカメラとしての性能はスマホに比べれば全く違います。
GRではAPS-Cでボケが出せるなど、写真の画質が極めて良いのに加えて、シャッター速度や絞りなど一眼レフ系の操作が全て可能です。
RX100と比較することはない
よくSONY RX100シリーズと比べて悩む人がいるようです。
というか僕もそうでした。
RX100 M3も持っているのですが、こちらは1型センサーのズームコンデジです。
24mmの準超広角から70mmのちょっとした望遠まで使えます。
どこでも万能に使える素晴らしいコンデジです。
GRは28mm単焦点なので、当然28mm(クロップで一応35mmも)しか使えませんが、その28mmにおいては遥かにRX100より画質が良いです。
APS-Cセンサーだから、というだけではなく28mmに特化したGRレンズのお陰で超高画質です。
しかし、どちらにするか迷う必要はないと思います。
一眼レフを例に考えてみましょう。
一眼レフでは標準ズームで18-55mm(35mm換算で28-88mm)ですが、28mmや35mmといった単焦点を買い足すこともあります。
その際、単焦点を買ったから標準ズームは捨てるという選択をする人は多分少ないはずです。
レンズ交換式だから、状況に応じて使う複数本のレンズがあっても良いと考えるからです。
何故、コンデジだと、どちらかを選択する(あるいは買い換える)という選択になってしまうのでしょうか?
RX100を標準ズームとして、GRを単焦点としてどちらも所有すれば良いと思います。
コンデジですから、二台持っていてもそんなに荷物になりません。
- 三脚の立てられない場所では手ブレ補正のあるRX100を使う。
- 単焦点を使ってじっくり撮りたいときはGRを使う。
などといった、単焦点とズームの使い分けで良いと思います。
ちなみにRX100は起動速度が遅いため、とっさに撮影したい場合は瞬速で起動するGRのほうが便利だったりします。
流石、スナップシューターと言われるだけのことはあります。
エフェクトの質が良すぎる
GRではRAW撮影をしてPCで編集することも多いですが、カメラ内処理のエフェクトが有能です。
カメラ内RAW現像が出来るので、RAW撮影をしていても後から内蔵のエフェクトをかけることも可能です。
このエフェクトは何気にかなり質がよいので、PCでのRAW現像をせずに満足できてしまうことも多いです。
ポジフィルム調。
昔のフィルムカメラっぽいエフェクトです。
「写ルンです」を持っているつもりで、色々撮影して回ると懐かしい気分に浸れます。
今の若い人は使い捨てフィルムカメラの「写ルンです」を知らない人もいるかもしれませんね。
クロスプロセス。
クロスプロセスは元々はフィルムを現像する際に違うフィルム用の現像液を使って不思議な色合いを出す手法です。これをデジタルで再現しています。
同様のエフェクトがインスタグラムなんかにもありますが、GR内蔵のエフェクトではRAWから生成されるので品質のよいものが出来上がります。
ハイキー。
白飛びギリギリのところまで階調を上げて、極めて明るいイメージの写真を生成します。
露出を上げてハイキーにするのと、エフェクトのハイキーではまた別の雰囲気になります。
HDR。
このHDRも高品質です。
通常HDR撮影では露出の違う写真を合成しますが、RAWでは様々な階調データーが残っているのを利用して、高品質なHDR合成風写真を生成するようです。
明瞭コントロール。
細部の解像感をあげるエフェクトです。
暗い部分を自然に持ち上げる事ができる他、被写体によっては立体感を強調する絵作りができます。
処理に時間がかかるので、非常に高度な処理をしていると思われます。
他にも色々なエフェクトがありますが、よく使うのはこんなものです。
今はスマホのアプリで色々な写真加工ができますが、GRのエフェクト機能は豊富な階調情報を持つRAWデータから直接生成するため、違和感のない質の良い写真を作り出せます。
マクロ撮影
SONY RX100はマクロが苦手ですが、GRではマクロ撮影に際してストレスを感じることはそんなにありません。
マクロモードを必要に応じてONにすることができます。入れっぱなしでも良いのですが、OFFにしておくと、その他の撮影の際にマクロ領域を無視出来るため、ピント合わせが高速になります。
マクロモードはワンタッチで一瞬で設定可能です。
GRはあらゆる操作性が洗練されているので、どんな設定でも即座に切り替えられるように設計されています。
料理写真なども捗りそうです。
スナップ写真でもマクロを使う機会は多いです。
28mm単焦点は、被写体に接近してなんぼの画角だと思います。
ヤフオク・メルカリの商品撮影でも余裕で使えますね。
商品の綺麗な写真は売上アップにつながります。
最高の風景撮りカメラ
カメラを持ちだして、一番撮るものってなんでしょう?
人物、あるいは風景ではないでしょうか?
どこに訪れても、やはり風景を撮ることが一番多いです。
見たままの景色を綺麗に切り取れるGRは最高の風景撮りカメラと言えます。
色々なカメラを使ってきましたがGRの雲の描写は独特です。
妙な立体感がありますね。
風景撮りをするのに役立つ水準器も搭載されています。
水平を取るのに拘って、撮影センスを忘れそうになってしまいますので、今はOFFにしていますが・・・
APS-Cのセンサーは高階調なので、明暗が混在する夕暮れが得意です。
カメラの特性上静止画の撮影が多いですが、GRでは一眼レフ系の操作ができますので、シャッター速度を落とした流し撮りも可能です。
高感度耐性
これくらいの明るさなら、夜の撮影でも大丈夫です。
F2.8と明るいレンズなので、明るめの室内光なら問題ありません。
ISO感度は1000を超えると怪しくなってきます。
たまに、1型センサーのRX100より高感度耐性が弱いと感じることもあります。
夜間の撮影は手ぶれ補正もあるRX100に任せたほうが良い場合もあります。
RICOH GR総評
最後の作例です。
これは持論ですが、良いレンズなのかどうなのかは、水面を撮った時にはっきりします。
少し波のある水面の質感を表現するのは粗悪なカメラには難しい芸当ですが、GRは見事な描写です。
RICOH GR、最初の一台にも良いカメラではないでしょうか?