プロの写真は大概加工詐欺だということがよくわかる

日曜日

カメラ

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撮影するより現像のほうが楽しい

プロのカメラマンは撮影している時間より、撮影後の写真を編集している時間のほうが長いそうです。
「カメラのファインダーを覗いている時間が1割、PCのモニターを眺めている時間が9割」
と仰っていたカメラマンの方もいました。

カメラを触り始めてからしばらくは現地での撮影を如何に上手にするかということで頭がいっぱいでした。撮影した後のデータは只管溜め込むだけで簡単な補正すらしませんでしたが、レタッチをするためにRAW撮影を始めてから、編集の面白さにはまってしまいました。


使っているソフトはこちら、Google Nik Collectionの Color Efex Pro4です。

Googleなので配布は無料ですが、単体では動作しません。Photoshop・Lightroom・Apertureのいずれかのプラグインとして動かすことが出来ます
プロ向けのプラグインを使うと見違えるほど綺麗に仕上げることができます。
最近はわざわざ一眼レフを持たなくてもRAW撮影のできるコンデジでも良いかな?と思い始めたくらいです。

実際の現像手順

曇天下での撮影はどうしても難しくメリハリのない写真になってしまいがちです。
今回は富山県にある日本一の滝と言われる称名滝ですが、天候に恵まれずコントラストに欠けた写真になってしまいました。
また、この称名滝は東京タワーと同じくらいの落差があります。間近で見るとカメラのレンズがずぶ濡れになるほどの水量があります。近くにある立山黒部アルペンルートが人気の観光ルート(称名滝はアルペンルートからも見える)なので影に隠れてしまいがちですが、日本の中では一番迫力がある滝です。

EF-s 18-55 F3.5-5.6 IS STM F8 "4 ISO 100

これは何にも手を付けてない生のRAW画像になります。
この冴えない写真をColor Efex Pro 4の実力で立派な写真に仕上げていきます。

FOLIAGE

FOLIAGEというフィルター。
「木の葉」という意味です。

これで緑が濃くなりました。
植物特有の緑にのみ反応するフィルターのようです。

CONTRAST COLOR RANGE

次にかけるフィルターはこちら。
CONTRAST COLOR RANGEというフィルター。
特定の色と相反する色に対してコントラストがかかります。

青色の要素が明るくなり、他の色が暗くなりました。
これだけでも、かなり写真にメリハリが出てきたように思います。

CROSS PROCESSING

このCROSS PROCESSINGというフィルター。
似たようなフィルターがInstagramにも備わっていたりしてよく見かける効果です。
クロス現像(カラーネガをスライドフィルム用の現像液を用いて現像したもの)をシュミレートしています。

全体の発色がよくなりました。
下地作りはこれで良いと思いますので、細かい部分を調整していきます。

GRADUATED NEUTRAL DENSITY

補正で一番活躍するGraduated Neutral Density。
レンズに付けるグラデーションフィルターを再現しています。
水平線を境に空と海の露出が変わってしまう場合に使ったりするあれです。

上部が自然な感じで暗くなりました。撮影時にかかっていた霧が自然に目立たなくなりました。
晴天時の写真で、明るすぎる空に使えたりするフィルターでもあります。

PRO CONTRAST

これも微調整で大活躍するPro Contrast。
画像を解析して画像固有の補正をしてくれます。
ディテール(画像の細かい部分)が崩れないようにコントラスト調整ができます。

少し効果はわかりにくいですが、岩肌などの細かい部分がスッキリ整いました。
このフィルターは細かい部分が繊細に調整できるので、一番重宝しています。

DARKEN / LIGHTEN CENTER

こちらのDarken/Lighten Centerは周辺減光を再現するフィルターです。
最後の仕上げに使います。


真ん中の滝に強調感がでました。
これで完成です。

見比べてみる

ただの冴えない滝の写真がポスターに使えそうな写真に化けました。

RAWデータは白飛びしてる部分など人の目に映らない部分のデータをしっかり保持しています。Color Efex Pro 4を使って処理をする際はRAW撮影が必須になります。
逆にピントや手ブレにだけ気をつければ、後でどうにでも編集できるので撮影自体も非常に楽です。

写真の表現力の9割は撮影技術より編集技術にありそうです。

RAW編集が嫌いな人もいる

カメラ生成のJPEG写真が一番素晴らしく、編集などはズルで本物の写真ではないと言い張るような人々もいます。
こんな派手な編集をした写真など、何の価値もない・・・と言われてしまったこともあります。

カメラが好きな人。写真が好きな人はそれぞれ違う考えをお持ちなのです。
カメラ本体が好きで、それを道具として愛でたい。
そういった方々は、カメラで撮って出しの写真でないと我慢できないのでしょう。



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